Once upon a time there was this little boy. And the boy has a big dream. Cutting a long story short, he got to Ehime which is in Shikoku area in Japan by his bicycle from Tokyo in the middle of the winter at the end of 2010. It is said that there are 88 pilgrimages in Shikoku and it's pretty popular in Japan. So what he and his mates decided to do first to make one of their dreams come true is to go through all the 88 places and find favorite cafes using his own legs and tongue along the way of the pilgrimage. It names is 88 cafe. It starts on the 29th of January 2011.

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2011年3月1日火曜日

Her name is...


















プルルルルルルル


すばらしい目覚め。最高の朝だ。今日も俺を夢の世界から呼び戻してくれるのは、容赦ない電話の着信音だけで、だいたいそういうのはあいつの仕業だ。


「ついたぞ、出てこい。」


そう、だいたいMだ。夜勤明けの混沌とした鉛のような頭の扉を強引に開けてくる。ノックなしで。というかハンマーでこじ開けてくる。


「これやる。」


結婚式の引き出物がはいっているような大きいサイズの正方形で厚めの紙袋を玄関に置いた。なかには何やら黒いマシンらしき物が入ってる。


「これで修行だ。」


まじかよ。そいつはなんの前触れもなく、俺の前に姿を現した。黒い本体の中央正面にはレバーが付いていて、銀色の光を放っている。その右側には何やらかき混ぜるのが得意そうなこれまた銀色のスティックが付属している。


そう、エスプレッソマシーン


「使わねーから。」


どうやら、エスプレッソ好きのMはどこかでこのエスプレッソマシーンを手に入れたらしいが、自分で作るタイミングを逃したらしく、だんだん飽きて来たようで、要するに俺にコーヒーの修行をさせつつうまいエスプレッソにありつく作戦に出たらしい。



しかも「Saeco」、彼女が出来た。



2011年2月6日日曜日

突然の電話




プルルルル 

プルルルル
 

「もしもし?」


「Hello!」

突然電話の向こうに現れたのはMだった。

土曜日の早朝、こっちは職場の人に夜景が綺麗だからドライブがてら見に行こうと誘われ、さっき帰ってきて眠りについたばかり、いったい何のようだ?

結論から言うと、Mは一言だけ言い残し電話から消えた。

「今日、松山行くから夜空けといてくれ」


そして
自分はもう一度夢の中へと戻った。


夜景の話をだしたが、
言葉では表せないくらい綺麗だった。

つい2人で
コンクリートの上に寝転がり空を見上げた。

無数の星。

こんなにたくさんの星を見上げたのはいつ以来だろう?



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Mと再開したのは夜だった。


いつ以来だろう?



そこは雑居ビルの四階にあった。

ドアを開けると少しほの暗く、正面に4席のカウンターがあり、2人組の女性が座っている。

右側には比較的大きな空間があり、窓に面してカウンターが何席かあり男性が1人で本を読みながら何か飲んでいる。

さらにテーブル席には1組のカップルがいて、ソファー席の4人組もなにやら話し込んでいる。

カウンターの後ろには
レコードが山のように並んでいて、本棚には建築や音楽やバイクやアンティークやアートなどそういう類いの本がたくさん並んでいる。

BGMにはスタイルカウンシルにパティスミスが流れていた。

迷うことなく正面のカウンターにすわった。

とりあえず飲み物を注文し、まずは先日のワインとビールの礼を言った。

それからしばらく仕事の話をし、残りの大半は夢のような現実の話をした。


どれくらい時間がたっただろう、窓際に座っていた男がいなくなり、カップルがいなくなり、ソファの4人組もいなくなった。


ついに隣に座っていた2人も帰り支度を始め、そろそろ帰る時間かなと思った瞬間、 Mはポケットから何か紙切れを取り出した自分の前にそっと置いた。


電車の切符だった。

意味が分からない。

松山→宇和島

意味が分からない。

しかも片道

・・・・・


Mの顔を見上げると、いつかのあの表情をしていた。