ここ最近ではベストに憂鬱な朝を迎えた。
目が覚めた瞬間から静まりかえった部屋に自分の動悸が響く。
アラームは鳴っていない。
寝過ごしていないことを確認する。
アラームより早く目が覚める。
今日は松山のとある会場でとある研究会があり、自分は発表することになっている。
たったそれだけ。
情けないが、そいつがまぎれもなく憂鬱の正体らしい。
慣れないスーツに着替える。
発表原稿に目を通していたら、先週、Rに会えなかったことをふと思い出した。
ついでに電話してみることにした。
ドアノブをガチャガチャする音
どうやらUが迎えに来たらしいので、電話を切った。
そんなこんなで、憂鬱な1日が始まった。
ーーーーー
松山についたのはちょうど昼時、Uの機嫌が悪くならないうちにまずは昼食をとることにした。
どこにしようか?
そういえば、昔教えてもらった店にまだ行っていないことを思い出した。
2つのアーケードの境目に大きな電気屋のビルがあって、その東側の道を100mほど南に歩く。途中、オシャレなカフェが現れ、Uが吸い込まれそうになるのを制す。ここではない。
こんなところにあるのかと少し疑い始めた頃、右手に小さな看板が現れる。
しかしそこには一軒の民家があるだけ。
ふと目線を上げると門から30歩ほど小道が続き、その奥に玄関が見え、そこにのれんがかかっている。どうやらあそこらしい。
玄関の前にたどり着き、立ちすくむ、ピンポンを押した方が良いのか、すいませーんと言ったほうがいのか、おそるおそる玄関を開けると何足かの靴が並んでいる。やはりカフェらしい。
すいませーん
意を決して自分はここにいますよーと小さな声で主張してみると、中から母親ほどの年齢と思われる女性、要するにお母さんが現れた。
どうぞ2階です。
と笑顔のお母さん、つい、お邪魔しますと靴をそろえながら家に上がらせてもらった。
−−−−−−−
案内されたのは4畳半くらいの和室で、そこに2人がけのテーブルがあって、奥にはカウンターがあって、女の人が2人座っていた。
ど、どうも
ここはカフェだと自分に言い聞かせ平静を装うが、どうみても家だろ、と葛藤する。
ランチとコーヒーを注文して待っている間、家宅捜索してみることにした。
どうやら2階に残り3部屋、3階にも何部屋かあるらしい。 廊下を歩くとみんながこっちを見てきて、なんか知らない人のお家に勝手に上がり込んでいる気分になる。
こでもやはり平静を装いながら、なんとか帰還した。
冗談はさておき、ここのカフェ何が楽しみか、それはこの癒し空間、癒しお母さんはもちろんのこと、なんといってもコーヒーがうまい、それもそのはず、この店を教えてくれたマスターがコーヒー豆をおろしているから。
だからうまいに決まっている。
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